2012.5.29

 

僕らがグッときた物件 神戸のベスト5 “おかわり”編

小泉寛明(神戸R不動産/Lusie Inc.)
 

先月のコラム「神戸R不動産の1年間〜僕らがグッときた物件 ベスト5〜」が好評でしたので、調子に乗って更に5物件僕らのお気に入りを紹介してしまいます! 

(以下はメンバー同士の会話です)

海を見渡すヴィンテージ

— 神戸でも海側の魅力が楽しめる、塩屋エリアの海1列目の物件。4階の物件なので海への眺めが、ちょっと上から目線で丁度よい加減。海だけじゃなくて、淡路島が見えるのもいいですね。海を渡る船が行き交う様をみているとそれだけで暇つぶしになる。

— オーナーさんが自らデザインして施工のアレンジもして完成した力作。海との一体感が素晴らしく、海風、山風を感じる大きなワンルームが特徴的。土間とフローリング空間を分けたり、業務用キッチンの仕様をあえて導入したり、随所に強いこだわりを感じました。

— 塩屋付近のヴィンテージ系マンションは、価格としては比較的リーズナブルな感じがしますね。自然が豊かで本当に住みやすい良いエリアと思います。

(左上)ヴィンテージ家具を生かしたオーナーこだわりの内装。(右上)この海への眺めは実際に体感しないわからない。

ビルジング使い方募集

— 旧居留地付近に多い石づくりの建物。元は銀行だった。こうした建造物でなかなかリアルに利用できるような物件には巡り合えないけど、この物件には使われなくなって放置されていた、空きスペースが眠っていた。

— 旧居留地周辺は市内の中心地で、好立地。多くの問い合わせを頂戴しましたが、かなりの改装が必要であったことと、立地が良いとはいえ入口がわかりにくい奥まった2階、3階のスペースだったため、なかなか現実的に使って頂ける方を見つけるのに苦労したのも事実。現在はギャラリースペースとして上手く使って頂いています。

— アート系のテナントさんは自分達で施工できることが多いのが強みですよね。かなりの部分をセルフビルドされたのと、また他の商業テナントに比べて設備面がそれほど必要ないので、予算が抑えられて出店できました。長い期間使われていないスペースの活性化には、アート系の方々が活躍するケースが多いですよね。

今回の物件は旧銀行のバックスペースだった部分。木の建具や壁のタイルなど、現在ではつくりえない魅力に溢れている。周辺の街並も含めて日本にいるという感覚を良い意味で忘れることのできる物件。

洋館とガーデン

— その外観が良さを物語ってくれる。和風なのか洋風なのかわからない和洋折衷のデザイン。今の時代には造れない贅沢な希少価値がある。

— 大きな庭もこの物件の魅力。これだけの数々の大木が個人邸の敷地内に生えているというのも珍しい。やはり緑と広い庭があると人はなごみます。

— この建物のロケや撮影で使えそう。これからもこういう建物の情報を発掘して、再利用して頂けるような働きかけをしていきたいですね。

内部から望む庭。木の建具越しに見える樹木が美しい。古き良き時代の建物。

スパニッシュバカンス

— 西宮市から神戸市中央区にかけて過去に沢山の個性的なマンションが建設され、今でもその多くが現役のヴィンテージマンションとして使われているけど、この物件は僕らが扱った物件でも代表格と言っていい。

— 阪神間にはまだまだ戸建て感覚のヴィンテージマンションが数多くある。古いマンションは管理費や修繕積立金が高く売買に苦戦するケースも少なからずあるけれど、それでもこういったマンションには新築には代え難い価値がある。

— 大型犬が飼えて、なおかつ眺望の良い大きなテラスが付いているという珍しい物件ですね。ペットが飼えつつもゆったり感がある物件は希少。これからもそのような物件を発掘したいですね。

マンションのテラスらしからぬ大きなテラス。リビングと一体となった造りといい、戸建感覚の造りにグッときました。

蔵ショップのススメ

— このところ様々なショップや移住者が現れて何かと話題の丹波篠山。神戸R不動産でも少しずつ物件を紹介してきましたが、これは象徴的な物件でしたね。

— 神戸や大阪から通える距離なので、週末だけスペースを借りて店舗を運営している方もいらっしゃいます。そういった方から多くの問い合わせを頂きました。気軽な感じで、こういった希少な建物を借りられるという試みがいいですね。

— 篠山には神戸にはあまり見受けられない日本の町家や民家が多く眠っていますね。造りも豪華なものが多く、それが放置されているものも結構あります。少し距離があるのでなかなか頻繁にいけないですが、ゆっくり物件を紹介していきたいですね。

篠山の数多く残る古民家の一つ。現在は主にレストランとして利用されています。その一画が蔵スペース。

前回のコラムと今回の”おかわり”編、如何だったでしょうか? 物件をこうして並べてみると、神戸には本当に個性的な物件が眠っているものだなと感慨深くなります。2年目も「グッとくる物件」との出会いを探して、そして皆様と数多くの「グッと」感を共有できるように物件探しに邁進します! これからもよろしくお願いします。

このブログについて
 

山と海に囲まれた街、神戸に移り住み5年。引越魔だった私が神戸に定住できたのは、この街の居心地がとても良いから。 そして神戸で会社を始めたのも、この街に住み続けられる仕事というのが大前提にあったから。居心地のわけをお伝えして参ります。


著者紹介
 

小泉寛明(神戸R不動産/Lusie Inc.)
小泉亜由美(神戸R不動産/Lusie Inc.)
西村周治(神戸R不動産/Lusie Inc.)
岩崎大輔(神戸R不動産/Lusie Inc.)

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